任意整理のメリット・デメリット

 借金の返済を楽にする方法として、任意整理という方法があります。
 任意整理は、借金を大幅に減らすということは難しいですが、比較的短期間で手続きを終えることができたり、マイホームを手放すことなく、借金の負担を減らすことができるなど、様々なメリットがあります。
 そこで、今回は、任意整理のメリットと、デメリットについて、ご説明します。
 
 まず、任意整理とは、各債権者と話し合いをして、今ある借金を、3年から5年程度の分割払いにしてもらうことを目的とする手続きです。
 
 たとえば、200万円の借金がある場合に、5年の分割払いで借金を返すとした場合、毎月約3万3333円を返済すれば、借金を完済することができます。
 この任意整理の最大のポイントの一つは、将来の利息をカットできる可能性がある点です。
 
 つまり、先程の例で言えば、通常は毎月の3万3333円の返済に、利息分も上乗せして返済する必要があります。
 しかし、任意整理を行うと、多くの場合に、利息をカットしてもらえるため、毎月の返済が楽になります。
 
 次に、任意整理は、どの債権者と交渉するかを自由に選ぶことができます。
 そのため、たとえば住宅ローンについては、これまで通りに支払い、他の借金だけ任意整理をすれば、住宅を残したまま、毎月の返済を楽にすることができます。
 
 もし、自己破産を行う場合は、原則として住宅を売却し、借金の返済にあてなければならないため、住宅を残せるという点は、任意整理の大きなメリットと言えます。

 
 他方、任意整理のデメリットは、借金の大幅な減額はできないという点です。
 つまり、任意整理は、原則として、将来の利息はカットできることが多いですが、今ある借金の元本自体は減らすことができません。

 借金の返済義務を原則としてなくすことができる、自己破産と比べると、この点はデメリットということができます。
 
 また、任意整理は、毎月借金を返済していくことを前提とした制度であるため、今後も継続して収入が得られる状態でないと、任意整理は難しくなります。
 仮に、今は収入があっても、退職したり、減給によって借金を返済できなくなった場合は、自己破産を検討しなければならなくなります。
 
 さらに、任意整理を行うと、借金の完済後5年間程度は、新たにお金を借りたり、ローンを組むことが難しくなります。

 
 このように、任意整理は、メリットとデメリットがあり、他の債務整理の方法との関係で、どの手続きが適切なのかは、案件によって異なります。
 借金でお悩みの方は、弁護士にご相談ください。