被害者参加制度

 刑事事件において、2007年の法改正により、被害者参加制度というものが導入されました。

 刑事裁判は、検察と被告人が戦うという性質上、被害者の方は置き去りにされているということも言われていたため、被害者の方も、裁判に参加できるようにという趣旨で始まった制度です。

 刑事裁判では、関係者以外は、傍聴席にしか入ることはできませんが、被害者参加人は、刑事裁判に出席し、証人尋問、被告人質問などをしたり、意見を述べることが認められています。

 被害者参加制度は、全ての刑事事件が対象になっているわけではなく、一定の重大犯罪に限定されています。

 たとえば、殺人、強盗致傷、不同意性交等、逮捕及び監禁、誘拐などです。

 また、被害者参加人となることができる人は、基本的には被害者本人ですが、被害者の方が未成年の場合などは、親権者である両親(法定代理人)が、参加することができますし、被害者の方が亡くなっている場合や、心身に重大な症状があるといった場合は、被害者の方の配偶者、親、兄弟姉妹などが参加できます。

 被害者参加をする場合は、あらかじめ事件を担当する検察官に申し出て、検察官が、そのことに対する意見を、裁判所に通知することになりますが、最終的には、裁判所が参加の可否を決めることになります。

 また、被害者参加制度を利用する場合、弁護士に援助を依頼することもできます。