生命保険の契約には、解約返戻金と呼ばれるものが発生する契約があります。
解約返戻金は、生命保険を解約すれば、戻ってくるお金のことです。
自己破産を行う場合、財産の一覧表を作ることになりますが、解約返戻金も財産として計上されることになります。
では、第三者が保険料を支払っていた場合は、どのように考えるべきでしょうか。
たとえば、父親が子の名義の生命保険の保険料を支払うというのは、珍しいことではありません。
この場合、解約返戻金は、お金を出している父親のものなのか、それとも名義上の契約者である子のものなのかが争点になります。
この点の判断は、①生命保険契約の内容(契約者、被保険者、受取人、保険金額など)、②保険料の支払い方法(誰の口座から引き落とされるか)、③実際にお金を出すのは誰か、④生命保険契約を締結するきっかけ、⑤契約締結で使用された印鑑や保険証券の管理方法など、諸事情の総合判断ということになります。
ただ、実際のところ、多くのケースでは、解約返戻金は、契約者である子の財産とカウントされることが多いようです。
つまり、親が子に保険料相当額を援助していただけで、あくまで契約者である子が、解約返戻金の受け取り主体であると認定されやすいようです。
しかし、特別な事情をしっかり立証できれば、解約返戻金が親の財産と認定されることもあり得ますので、弁護士と相談の上、解約返戻金の帰属を検討すべきでしょう。